献上博多
献上博多の祈りを結ぶ
献上博多
献上柄には、厄除・浄化・繁栄・尊厳の意味があります。古くは、厄除の独鈷、浄化の華皿という法具を紋様化したので、独鈷華皿(とっこはなざら)紋様と言われています。江戸幕府への献上品として選ばれ、献上博多と呼ばれることになり、重要無形文化財にも指定されました。現代でも、街のあらゆるところに献上柄は描かれ、人々に愛され続けています。
独鈷
独鈷は、インドラ神が持つダイヤモンドも打ち砕く最強の武器が起源とされています、仏教の世界では、帝釈天が手にしています。空海も独鈷の変形である三鈷杵を力強く握っています。独鈷は、長い歴史の中で、煩悩を打ち砕き、役を払い、悟りの覚悟を決めるなど
様々意味として登場してきました。博多織は、この独鈷紋様を伝える使命を持った織物です。
華皿
独鈷華皿紋様として博多に定着してゆきます。華皿は、散華の時に使われる法具で、仏の供養、浄化するために使用されます。伝統紋様には、必ず意味があります。人類が紋様に込めたメッセージを再考したいと思っています。
クラッシック献上
厄除・浄化・繁栄・尊厳
1241年から続く伝統的な献上博多の紋様。独鈷華皿紋様として誕生。江戸幕府への献上品として選ばれて献上と呼ばれることになる。安定した定番の紋様です。
モダン献上
厄除・浄化
献上博多の独鈷華皿(法具)の紋様の部分だけを切り出してシンプルモダンに再編集したデザイン。三角が独鈷、六角形が華皿を表しています。
ストライプ献上
繁栄・尊厳
献上博多の親子縞と孝行縞の紋様の部分だけを切り出してストライプに再編集したデザイン。細い縞が子供で太い島が親を表しています。
葛飾北斎
北斎の祈りを結ぶ
天才・葛飾北斎
アメリカの有名なフォトジャーナル誌『LIFE』が1998年に発表した『ザ ライフ ミレニアム』の「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」の中で、日本人で唯一北斎が選ばれています。
北斎の絵手本
北斎が後世へ残した功績として、絵手本の存在は大きく、人物・風景から動物・草木・虫・魚に至るまで多様な手本を集大成しています。そして、紋様も残しており、これらは、絵画・工芸・芸術などに大きな想像力を与える大きな役割を担っています。北斎の職人としての一面です。 菜籠麻の葉
成長・魔除・食べ物に困らない
麻の葉は、健やかな成長・魔除け。菜籠は、食べものに困らない・豊作を表す。
輪違麻の葉
成長・魔除・良縁
麻の葉は、健やかな成長・魔除け。輪違いは、良縁・絆を表す。
網代の卍
成就・吉祥
網代は、大切なものを手にいれる。万字は、吉祥を呼び込むことを表す。
五徳
五徳の祈りを結ぶ
陰陽五行説
陰陽五行論では、「木・火・土・金・水」の五行をそれぞれ次の5つの「徳」にむ結びつけています。木=仁(多くの人のために尽くす徳)。火=礼(礼を尽くす徳)。土=信(信望を得る徳)。金=義(約束を守る・誠実に生きる徳)。水=智(学習を続け、知識や知恵を得る徳)。それぞれを象徴する神獣をモチーフに文様化したシリーズです。
五徳
人間にとって徳とは均整のとれた精神の在り方を指すものでです。徳を備えた人間は信頼や尊敬を獲得しながら、人間関係の構築や組織の運営を進めることができます。徳は人間性を構成する多様な精神要素から成り立っています。気品、意志、温情、理性、忠誠、勇気、名誉、誠実、自信、謙虚、健康などが徳目とされます。
神獣
五徳を象徴する神獣をモチーフに紋様化しました。仁=青龍は、鱗。礼=朱雀は、矢羽。信=麒麟は、瑞雲。義=白虎は、虎柄。智=玄武は、亀甲。青龍は、太陽の昇る東方を守ることから、金運を呼び込み商売繁盛をもたらすとされる。朱雀は、大きな翼で、降りかかる災いをはらいのけ、平安をもたらすとされる。白虎は、太陽の沈む西方を守る後門の守護神。睨みを利かせて邪気を遠ざけ、幸せを呼び込むとされる。玄武は、逆風の盾となって守り、繁栄と長寿をもたらす。
仁
青龍
陰陽五行論の木は、仁。
多くの人のために尽くす徳を表す。
礼
朱雀
陰陽五行論の火は、礼。
礼を尽くす徳を表す。
信
麒麟
陰陽五行論の土は、信。
義
白虎
陰陽五行論の金は、義。
約束を守る・誠実に生きる徳を表す。
智
玄武
陰陽五行論の水は、智。
龍神
龍神の祈りを結ぶ
龍神
東洋では、龍は神獣として尊い存在とされてきました。日本では神社の注連縄に名残が見られるように縄文時代から続く蛇信仰と融合し、現代でも多くの人々に信仰されています。龍は、雲、雨などの天候を操るとされ、降雨、五穀豊穣、財運、良縁、健康長寿、病気平穏などのご利益があるとされています。
法雨
法堂の天井に龍が描かれるのは、龍が仏の教えを守る神将、龍神として考えられてきたからです。また、龍が雨を降らすといわれることから、法の雨である法雨を降らす、あるいは、火災より守ってくれるために描かれたともいわれます。
鱗文
鱗文は竜蛇信仰とも結び付き、海難徐けに竜蛇の刺青をして守護を願ったと言われています。日本では死者の霊は蛇の姿で現れると信じられていました。竜は蛇の大きくなったもので、その鱗は強い呪術性を持つものとされてきました。
応龍
厄除・飛躍・長寿
古代皇帝に仕えた、高速飛翔する翼を持つ長寿の龍。特に、厄除・飛躍、長寿。
四海龍王
成長・豊作・災難除
龍宮城伝説で、四方の海を支配する4体の龍王。特に、厄除・豊作・災難除。
龍馬
厄除・出世・学業成就
陰陽思想を表す存在。坂本龍馬の名の由来。特に、厄除・出世・学業成就。